花王の食用油「エコナ」が販売中止となった

新聞報道によれば、特保(特定保険用食品)に指定されていた花王食用油エコナ」が、発がん物質に変化する可能性のある化学的成分を含んでいることがわかり、販売中止に追いやられたという。天然のものでない食品に対して、大きな疑問を持っていたが、「やっぱりそうなったのか」というのが、率直な感想だ。

ダークマター」という言葉がある。我々が恩恵を受けている太陽は、銀河系という一つの島宇宙(星雲といってもいい)の中にあるが、この銀河系には1,000億個もの太陽(恒星)があるという。ところが、宇宙にはこの銀河系のようなものが数千億個あるというのだからあきれる。それほど宇宙は広いしそれほど人類は小さいのである。その人類は、金・銀・酸素・窒素・セリウム・砒素・フッ素など120〜130くらいの物質を知りえているが、それらの物質は宇宙全体に存在する物質のうちの20%に過ぎないという。中にはたったの4パーセントという説もあるらしい。それほど人類はまだ何も知らないといった方がいい。その人類にとって未知の物質がダークマター(暗黒物質)と呼ばれる物質である。

それほど人類が知りうるものは限られており、得体の知れないものに囲まれているのである。それにも関わらず人間は、不遜にも自らの無知さを省みることなく知ったかぶりをするのである。新たな食品などを生み出すことは、余程慎重であらねばならない。人類は、何百万年何千万年にわたって、地上に既にあるものを食べてきて今日がある。この事実は極めて重いものがあると思っているが、どうだろうか。

たとえば、痛みや熱など何らかの症状があるからこそ病院を訪れるのである。その患者に対して、「どこも悪くないですね」と言って片付けてしまうケースがよくある。本当ならば自らの力量のなさや限界を詫びて、「申し訳ありませんが今の私(医学界)の力量では、あなたの痛みの原因は判りません」と応えるべきだろう。

自然や宇宙とはすごいものなのである。自分、いや人類が知りうることはごくわずかでしかないのだということをわきまえて行動することの大切さを決して忘れてはならない。