シャープ再建。40歳以上も雇用を継続すべし

今、シャープは浮沈の瀬に立っている。ほんの少しではありますが株を持っている者として気になるところです。
これまで産業革新機構主導で再建を目指すと見られてきた。そうなれば「シャープ解体」で、株は無一文になる。ところが先日、台湾メーカーの鴻海(ホンハイ)精密工業の猛烈な巻き返しにあいホンハイの買収案を受け入れる方向に傾きつつあるようだ。これを受けて、株は無一文どころか上がり出している。
しかし、私はホンハイ会長の「40歳以下の雇用は約束する」という言明に大きな疑問を抱いた。

そもそも、日本という企業においては、初任給から勤続年数に応じて少しずつ昇給する。だから、上場企業でいえば、40代は20代の2〜3倍くらいになる。つまり「従業員の能力は毎年少しずつ成長していく」という楽観論というか性善説で給与体系を組んでいる。

ところが、ホンハイの会長は、40歳以上は必要な人材とみていないというわけです。もし会長の目が高く、実際にシャープの40歳は成長しておらず市場的に価値がないとすれば、もうシャープの生き残る価値はないといっていい。そして極めて遺憾ながら、こういう見方は、日本企業全般にもみられる。ここ数10年、多くの大企業で早期退職の募集がされてきたが、そのほとんどすべてにおいて「40歳とか45歳以上」というような年齢条件がついている。それまで十分な教育をしてこなかったのだろうか。もしそうであれば、日本に明日はないといってもいい。従業員は年々進歩成長するという、日本のこれまでの慣習を信じないということなのでしょう。私は、この考え方に異論があります。

以下は今週の議事録からです。

以前私が、毎週のミーティングの議事録に次のように書いていたのを覚えている方もいらっしゃると思います。
資本主義の経済の仕組みでは、毎年何%かUPしなければやってゆけない。
安倍新内閣の「新3本の矢」は、GDPを毎年3%UPさせて600兆円達成が最大の課題である。これがなければ財政再建ができないからだ。
なぜか判りやすく説明すると、たとえば1例をあげれば、20歳の新入社員が45歳の中堅社員となれば、給与を例えば2倍にしなくてはならない。何故なら、20歳の時は、独り者で6畳1間で貧乏暮らしで良かったものが、45歳になれば、子供もできる、自宅を持ちたい、時には甥や姪に小遣いもやらなければならないと、何かと物入りになる。この生活を保障するには、企業の社長は毎年3%ずつUPさせて2倍となるようにしなければならない。逆に言えば3%UPさせなければ社員の生活が成り立たないから、そんな社長は無能ということになる。

と。
シャープを立て直せれば、40歳はどうなっても構わないというのでしょうか。ホンハイの会長は、この資本主義の仕組みを否定していないか。そもそも、産業革新機構はシャープを解体するが経営陣もやめろという。これに対し、ホンハイ会長の「40歳以上はやめてもらうが経営者は残す」という。経営陣のほとんどは40歳以上のはずだ。これではまるで理論も何もあったものではない。
もとより、私は台湾は大好きです。ホンハイの会長さんは一日で決断し翌日はシャープ本社に乗り込んだそうです。さすがです!それに引き換え、シャープ陣の決断のなさは情けない。「1ケ月間待ってくれ」だそうである。こんな経営陣は早々に退去して、ホンハイでも産業革新機構
でもいい。社員全員で立ち直らせて下さい。