元気な長寿企業に学ぶ

ゴーイングコンサーン 企業は将来にわたって無期限に事業を継続させなければならないとする考え方のこと。ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)という。
 
我々は、この世に生を享け、最も望んでいることは何だろうか。一番力があることか。一番速く走ることか。そうではなくて元気で永く生きることだろう。企業でも同じだ。後に紹介する「老舗学の教科書」(同友館)によれば、倒産企業の平均年齢は17歳で、40歳を超えると極端に倒産件数が減るそうである。とすれば我々が目指すのは、とりあえず「先ずは40歳企業」である。あと8年だ。しかし、いくら長生きしていると言っても、寝たきりで長生きしたいとは誰も思わないだろう。企業とて同じだ。何百年企業といっても、家内工業で細々やっているだけでは、余り社会的な意味はない。矢張り「元気で長生き」でなければならない。
 それには、100歳を超える長寿で元気な先達に、いかに暮らしているか何を食べているかを教えてもらうことである。また企業では、今大繁盛の企業の真似をすることではない。100年を超えて今でも成長し続けている元気な企業に学ばせてもらうことだろう。
 こういう意味で、この「老舗学の教科書」には、珠玉がちりばめられている。会社を長生きさせるという志(こころざし)のある者は、是非この本を熟読して欲しい。     以上先週の議事録から


ところで、本日の日経新聞「経営の視点」で「日本の100年企業に学ぶ」という記事があった。
韓国では100年以上続く企業はわずか7社程度。日本の2万7335社と格段の違いだ」。また、日本企業を学んだタイの産業界は「拡大より存続を重視し、従業員や取引先との関係を大切にする考えに驚いたようだ」という。「永続性を重視する日本のファミリービジネスは、実は中小企業の王道なのでは」とあった。


中国の処世訓「菜根譚」に「水滴石を穿(うが)ち、水至れば渠(みぞ)となる」。水が流れれば自然に川(みぞ)ができあがる。結果は必ず現れる。時機を待てという意らしい。急拡大、大成功を目指せば、必ず陥穽が待ち受けている。地道に正しく生きてゆこうと思っている。