日本の若者は・・・(その2)

「日本の若者はデモもできない腑抜けだ」と、時々耳に入ってくるが、これほど短視的見方も少ない。強力なデモ隊を繰り出し連日大もめにもめているギリシャの若者は、日本の若者と比べてしっかりしているとでも言うのだろうか。世界の若年層の失業率は、ギリシャ46.2%、セントポール大寺院を占拠しているイギリスが20.9%、アメリカは17.7%だそうである。(日経11.10.06)。それに比べると、日本は9%。それだけ日本はまだまだ恵まれているという事実を抜きにして、単にデモがあるなしで、日本の若者は、と談じるのはコッケイだ。

問題は、借金の上に借金を重ね、これまで余りに分不相応な生活をしてきた虚飾の繁栄であるということだ。その結果日本の経済は急速にギリシャ化している。今日おぎゃあと生まれた赤ちゃんまでが700万円の借金を負っていることになるという。それ程の借金を重ねて世界最高水準の豊かな暮らしを全国民がしてきたのである。本当はもっともっと、年金も失業手当も介護手当も公務員給与も学校も道路も、削らねばならなかった。そして税金をもっと課さねばならなかった。こんな生活は借金のうえに咲いたあだ花だからやがては必ずしおれる。贅沢になれてしまった若者にも若干の頼りなさはあるにせよ、最も責められるべきは若者ではなく、これほどまでに借金を重ねた我々大人や老人たちである。