我々個人も不時の備えを

母国を見限り「大脱出」 働けない 若者の危機 第5部 世界にみる明日  日経2013/3/23 2:00
 

若者の就職難は欧米から新興国に広がり、世界共通の課題として意識され始めた。放置した国では、社会の基盤を揺るがす事態に至っている。
 「もう選択肢がなくなった」。コスタデルソル(太陽の海岸)と呼ばれるスペイン南部マラガ。職業安定所から出てきたホセ・バルガス(24)の表情は青い空とは対照的に曇っていた。

■旧植民地へ流出
 半年前から続く求職活動には手ごたえさえ感じない。「スペイン語が通じるメキシコやアルゼンチンなら仕事を見つけやすいかもしれない」。バルガスはネットで中南米の旧植民地の求人情報を探し始めた。
 債務危機に伴う景気後退に苦しむスペインの若者の失業率は55%と、2人に1人以上が働けなくなっている。閉塞感から逃れるため若者は外国 を目指す。国家統計局によると2012年1〜9月に5万5000人が外国での長期滞在を目的に同国を出た。08年の2倍近いペースの「エクソダス(大脱 出)」だ。
 弁護士、インテリアデザイナー、大学教員……。ドイツのベルリンで働くイタリア人が情報交換するサイトには高学歴の若者の名前やプロフィル が並ぶ。頭脳流出の最前線だ。12年1〜6月にドイツに移り住んだ外国人は50万人。ベルリンの語学学校には、後に続けとばかりに南欧から生徒が押し寄せ る。
 母国では強固な解雇規制で中高年の仕事が守られている。企業は非正規雇用の若者の解雇に走る。月1000ユーロ(約12万円)で働く大卒を例えた「1000ユーロ世代」という2000年代の言葉がかすむほど若者は追い詰められている。



[XAMA]これまで数十年も続いた貿易収支がついに赤字に転落した。日本の借金がもうここまで積み上がってしまったからには、私はアベノミクスもやむおえないと思っているが、劇薬であることには違いない。私は10年20年後の日本が今のスペインのようになると思っている。その時に、今から備えておかなければならない。