日本の大赤字、土光さんのような人は現れないか。

長いことブログを休んでおりましたが、「過去最大の一般会計予算」となると知って黙っていられなくなりました。

実は12/7(火)NHK特集で、1982年の再放送があった。30年ぶりに懐かしく敬意をもって見させていただいた。第二臨調会長として奮闘する土光さんの姿である。「国の借金、国債発行残高は82兆円。国家の財政は今破綻の危機に瀕(ひん)している」という書き出しから始まっている。

下の図は、日経の記事に当時の数値を書き込ませてもらったものである。1981年当時の日本のGDPは274兆円であるから、まだGDPの30%程度である。それでも85歳の土光さんは、国の行く末を憂えて、老骨を鞭(むち)打って、強力な反対にあいながらも、本田宗一郎井深大さんの応援を得たりして何とか成し遂げた。

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しかし、今やその政府債務残高は21年度末、初めて1000兆円を突破する見通しとなり国内総生産GDPで266%と米国のほぼ2倍に達する(日経20.12.25より)。これは、土光さんの頃の9倍にもなるという飛んでもないことになっている。土光さんが心配していた頃が30%であったことを思う時、将来を安心している気にはどうしてもなれない。

日米開戦でも、最初は政府やマスコミが国民を煽(あお)りに煽ったが、すっかりその気になってしまった国民を今度は政府が抑えきれなくなって、ついに真珠湾攻撃の火ぶたが切られてしまった。今は、国民の「(金を)出せ!出せ!」の一点張りで、大多数の一般国民に受けのいいポピュリズムしか頭にない政府は、その声に押されるばかりで、これまで日本は借金に借金を重ねたが、一向に成長戦略とは程遠く、今日の停滞になっている。その上まだその延長線上で、来期も新規の国債を37兆円も重ねようというのだから、今後どのようになってゆくのだろうか。