季節は、いままさに「青春」だ

こちら鹿児島は、桜も終わりいよいよ春の色を濃くしております。事務所の目の前の川原でも、いっせいに芽吹きだしました。このまことに盛んな様を目にして、季節はいよいよ人間でいう20代だな、と思いました。実は、もう20年も前でしょうか、堺屋太一著「団塊の世代 黄金の十年が始まる」という書物の中にこんな件(くだり)があったのを思い出したのです。

東洋の伝統的な思想では、人生は冬から始まります。少年時代を黒い冬、玄冬といいます。亀(玄武)のごとく地を這い、体力と知力を積み重ねるときです。やがて20歳ころに春が始まる。これが青春です。龍(青龍)は雲を得て天に昇る飛躍のときです。40才からの中年は夏です。人生の赤い夏、朱夏です。雀(朱雀)は群がり騒いで派手に動く時期です。そして60を超えて実りの秋、白秋が始まります。虎(白虎)は、雀のように動き回ることも群れることもありません。自信を持って人生の収穫を楽しむべきなのです。そして、いったん事があれば一声吼えると天下が驚く。そんな境地こそ理想です。

「人生は春から始まって冬で終わる」と考えている人がいます。大間違いです。60歳より上は、人生の実りを楽しみ味わう秋なのです。特に団塊の世代にとっては、自ら求める商品と流行を創り出し、「好きな遊び」を楽しめる「黄金の時代」なのです。

         

いかがですか?私は、既に「白秋」です。