中国、ロシアに対抗する(その3)

 中国は大赤字のギリシャへの投資を大幅に増やしている。ギリシャの港湾の経営権を取得、海運事業、建設、通信、観光、鉄道にも投資する。中国は、ギリシャばかりでなく世界中に戦略を進めていて、04年に100億ドル足らずだった対外投資は今年500億ドルにも達するという。この度ポルトガルを訪問した胡錦濤国家主席は、対ポルトガル投資やポルトガル企業の対中輸出を活発化させ、ポルトガル国債買い支えると表明していた。ところが、世界各国からこうした中国の投資が、その国を取り込もうとしているのではないかという警戒心を産み、国債購入は断念せざるを得なかったようである。

 一方の日本はというと、100兆円もあるという外貨準備高をムダに眠らせているのではないか。円高に苦しみ、原料も輸入しにくくなっているのだから、逆に、この円高を利用して、財政赤字の国の、たとえば、ギリシャポルトガル、スペイン、イタリア、アイルランドなどの国債や、油田、鉱山、小麦などを生産する土地など、どんどん買ったらいい。円が大量に流通することによって、ドルの失速分を円で補うことによって国際通貨への一歩を歩みだせる。また、大量の円が放出されることによって円高を防ぐ。各種の資源を確保できる。財政に苦しむ国へ投資することによってその国の信頼を得られお仲間を増やせるのである。
 
 尖閣では、流出ビデオを見るまでもなく中国の強引さを世界的に印象づけた。圧倒的に日本の方が正しいにもかかわらず弱腰だったと非難ごうごうだ。つまりは、やさしかったということだ。そんなやさしい日本だからこそ、お仲間を増やす絶好のチャンスなのだ。今こそ、常識的な考え方のできるお仲間を増やし、中国、北朝鮮、ロシアに、鉄のカーテンを張って対抗する。核はないかもしれないが、力の外交でしか物事は解決しないのは、尖閣北方領土で明白だ。民主党の政府は確かに頼りないが、みんなで応援しなければ、政府だって何にも出来ないのだ。細かいことをゴチャゴチャいうのはやめよう。