国力の劣化は円安だからだ その1

 最近の領土問題は重苦しい課題だ。それというのも何だかんだ言っても残念ながら日本の国力が落ちているからだろう。その証拠というのか・・・・韓国の李大統領が「今や日本の力は昔ほどではない」と言って竹島に上陸したり、アメリカの親日家のアーミテージさんが日経で「日本は一流国の地位を維持するのか二流国に転落するのか」と叱咤激励していたが、我が国はここまで落ちてしまったのかとしみじみ思う今日この頃だ。

 嘆き悲しんでも仕方ない。一体なぜそうなったのかと言えば、いろいろなこともあろうが、その根本は「円高だ。李大統領がサムスンをあげて自慢したらしいが、何のことはない、この5年でウォンが円の2分の1になったからだ。パナソニックやシャープが瀕死の苦悩にあえいでいるのは当たり前だ。誰が社長になったって、相手の2倍の値段で敵うはずがない。トヨタやホンダはよくやっていると思う。
 
 要するに、円高でも円安でもどちらでもいいが、今のように一方的に日本が不利なようなことはさけねばならない。外国にとっても日本にとっても、フィフティフィフティでなければならないということだ。今の日本が復活するには円安しか道はないのではないか。
 ではどうするか。円高の時に、外貨準備高は120兆円も蓄えておく必要はない。今の円高を好機としてこのお金を動員して外国に投資せよと強調したい。
 石油でもレアアースでも小麦でも先行きが大いに心配されている。そんな資源に投資するのもいいし、また東南アジアでもアフリカでもお金が足りなくて四苦八苦している。そんな国の国債を買ってあげたたらどんなに感謝してもらえるかわからない。そして竹島の裁判では味方になってもらえばいい。また、円をドンドン発行させて、アップルでも韓国のサムスンでも買収すればいい。日本が円高をいいことに「傍若無人に振舞っているという」ことになれば、「もう円高は許せない。円安にさせよう」ということになるではないか。
 

 こういう考え方がなぜ野田さん安住さん達は否定している。あれもこれもと無難に済まそうとすれば結局何にもできない。蛮勇をふるうというのはこういうことだ。今が円安だったらその対処方法は確かに難しい。しかし円高というのは、外国が日本を認めているということだろう。それが何故、「今や日本の力は昔ほどではない」とか「日本は一流国の地位を維持するのか二流国に転落するのか」などと言われるのか私は不思議でならない。政治の力が劣化しているとしか言いようがない。
(追加)
翌朝のTV「サワコの朝」でドナルド・キーンさんが「日本人は過激に走りがちだ。最高でなければ最低という」とおっしゃっていた。成程!!竹島でも国力の低下でも、もう少し余裕をもって考えた方がいいかもしれないが、今の円高のありようだけはまずいと思う。