国力の劣化は円安だからだ その3

 欧州の重債務国のイタリアが貿易赤字が縮小しユーロに対する不安感が薄らいできているという。実際、イタリアが実施した国債入札のの利回りは3月以来の低水準となったというのだ。

 昨年11月に就任したモンティ首相は非効率な公的支出の削減を打ち出し、解雇の難しさから聖域とされてきた労働市場についても今年6月に改革法を成立させた。それに加え、ユーロ安のお蔭でイタリア企業の競争力が持ち直し輸出が伸びた半面、緊縮財政の結果輸入が減って貿易収支が急速に改善したらしい。これら一連のモンティ改革が市場の評価を得たようだ。
 
 つい最近までPIGSなどと馬鹿にされ、ギリシャの次はイタリアかなどと言われていたのもかかわざず、すばらしい成果ではないか。
 一人の偉大な政治家がここまでトレンドを変えることができるのである。円安の通貨政策、労働慣習、無駄な公的支出の削減など、イタリアが改革の手本を示してくれた。