アカデミー賞受賞おめでとうございます

受賞すると、オスカー像と呼ばれる金メッキのオスカー像が贈られるだけで、賞金の類は一切ないという。出席は招待客のみで、チケットの販売は行われておらず、従って一般人は出席できない。また、主演・助演男女の賞の授与者には、支払われるギャランティはなく、あくまでも無償奉仕だそうである。

これには、驚くとともに敬服した。なぜならば、アメリカの価値判断は“金”だけで、しかもアメリカの借金まみれの虚構体質が我慢ならなかったからである。例えば・・・・・。

イチローや松井に途方もない契約金を払ったり、ゴルフの優勝賞金は日本の5倍も10倍にもなるので、世界中から一流選手を引き付け、その試合は、否が応でも、選手も観客も高揚感で盛り上がる。しかしそれはベラボーな高額金に裏づけされたものであり、しかも、それが借金であるということである。国債貿易赤字・家計の赤字、どれをとっても天文学的な数字で、とても首が回らない状態だ。アメリカは、世界中から借りまくって派手に振舞っているだけのことである。世界が貸し続ければ何の問題もないが、こんなことが長く続くはずもなく、これが今の世界的な大混乱の大きな原因にもなっているのである。

それに引き換え、このアカデミー賞の気高さは何ということか!!この度の「おくりびと」の受賞を心から祝福したい。崩れかけているとはいえ、「おくりびと」ならずも、日本的なもの、武士道、宗教観、もったいない、質素倹約など、まだまだ健全なのである。是非、この日本的なものにアカデミー賞を贈っていただき、見習って欲しい。