No2の時には魅力的であった人が、トップになった途端に人が変わって

 青島幸男さんが一昨日亡くなった。テレビ出演、ヒット曲の作詞など多彩を極めたり、印象深いのは、国会での辛らつ過激な質問に、我が意を得たりの感があった。特に秀逸なのは、時の最大権力者金丸信に対して、誰も尻尾をまいて迎合しているのに、「金丸が辞任するのが早いかオレが死ぬのが早いか」と国会議事堂の前で大見得を切ってハンガーストライキをやったのは拍手喝采だった。しかし大活躍はそこまでで、都知事になった途端に萎縮してしまったのか、臨海副都心の開発を中途半端なものに終わらせてしまい、その後の都の巨額の負債を止め得なかった。

 反権力の側に立ったりNo2の時にはとても魅力的で異彩を放ち輝いていた人が、なまじっかトップとかNo1に上り詰めた途端に、権力志向に傾いてしまうとか未練がましくトップの座にしがみついたり、ちょっとも責任を取らないなど、それまでとはコロッと人が変わってしまったりするのは、何としても惜しいことである。人間とは、かくも「自ら律する」というのは難しいことだが、No2でも人間的評価は全く損なわれていなかったのにと大変残念に思うことがある。やはり野に置けレンゲ草。その人その人の立場をきちんと守っている人は、魅力的だし尊敬もできる。安倍総理もNo2の時は本当に輝いていたのだが。

 青島さんも参議院議員でずっと通していた方がずっとご本人にとっても満足の行くものではなかったろうか。都知事を一期でお止めになり再び参院へと選挙を二度も戦ったが都民は再登場は望まなかった。世界都市博だけでも止めさせたからマっいいか。それにしてもせめて、都市博を中止に追い込んだ時、任期を残しながらも、男というものは時にヤセ我慢も大切だ、武士は食わねど高楊枝!の意気で、「はなはだ無責任男ですが・・・・」と、あの時と同じように大見得を切ってお止めになったらよかった。惜しいなーという気持ちです。ご冥福を祈るばかりです。