スポーツ界の不祥事に思う

 スルガ銀行で、シェアハウスの問題が表面化してもなお、その後の株主総会では岡野会長を70%超が指示をしたそうである。この国は、正義か不正かを考える前に、先ず儲かるかどうか、有利か不利か、という風潮がはびこっている。
 このサブリースには、スルガ銀行でも、岡野会長の実弟で番頭役の副会長は、シェアハウスへの融資をやめるよう指示したというが、急逝してしまい、融資は継続されたらしい。悪いとみんな知っていたのである。

 「何故止められないのだ」などと言う人もいるが、止められないのが今の日本の姿のように思えてならない。
 ボクシングの山根会長の不正を「誰も止められなかったのか」と、世間の人は気楽に言う。不正を止められればセワはない。問題は「不正を止められない」ところにある。何故かといえば、さわらぬ神にたたりなしとばかりにみんなわが身かわいさの余り、不正を見て見ぬ振りをするから、ますます権力や悪がはびこるのである。問題は我々の心の中にあるのだ。
 その点、日大のアメフト選手や、この度の体操の選手の(今日この時点で断じるのはやや早きに失する感もないではないが)時の権力者に立ち向かい告発する勇気を賞賛する。
 現状を見ていると、権力者はますます権力を欲しがり、利益が結構出ている会社でもますます利益を欲しがり、飽くことを知らない。他人(ひと)のことはどうでもいい、自分だけはという風潮がますます強くなっている気がする。