中国の魚の消費量が急増している。今や世界の33%にもなるという

NHKクローズアップ現代(1月23日)を見た。


中国の魚の消費量が急増している。世界の消費量の中で1985年は約10%だったものが今や33%にもなり、今後の経済発展とともに今まで川魚しか食べなかった内陸部の人たちも食べ初めており、更に急速に増えると予想されている。


 一方日本の方では、スーパーでは、客の手を汚さない、生ごみにならないよいうに調理されたものが増えるなど、魚の販売が年々難しくなっている。特に問題なのは、例えば規格外のサバ。1キロ250円で売れているものが、ちょっと小さいという規格外品だとナント30円になってしまい、長崎県松浦漁協の例では、水揚量5万tのうち半分は規格外のため養殖魚のエサにまわされてしまっている。ところが、品質的には何の問題もないため、中国から、50円〜70円で引き合いがあるという。これまでの消費の現象に悩んできた漁協は大きな期待感を持っている。


数年前ヨーロッパに行ったとき、日本料理屋のマスターが、「日本人は欧米で日本食ブームだ、などといって喜んでいるが、ろくなことはない」と憂慮していた。これまで魚を食したことのない人たちが一旦魚の味を覚えてしまったら、需要の大爆発を誘発することはあきらかである。何の品質の問題もないのに、ちょっと小さいという馬鹿げた理由で規格外品を買わないという日本の購買習慣がとんでもない結果となってあらわれようとしているのだ。今や人口13億の中国は輸入大国になり、アラスカ産のタラバガニ、オーストラリアからあわびなど輸入しており、マグロも日本より高く買ってくれるという理由で日本の商社が中国に売るなど、主として日本自身の理由で外国の人たちに「魚を食べる」と言う習慣を喚起しているのである。また、北海道のホタテ、スケトウダラ、サケ、ホヤ、鹿児島のブリなどが中国に輸出され始めている。小骨のついた魚はイヤ、とか、ちょっと小さいから買わないなどと言っていれば、日本の水産業は衰退する一方である。


 アメリカの牛肉のBSE問題も憂慮している。新聞もテレビもいっせいにアメリカを非難しているが、みんながいっせいにというのが怖い。つい先だってもみんながいっせいにライブドアを賞賛していた。そんな時、反対意見を述べるのは勇気がいるが、「アメリカが約束を守っていない」というのは確かに問題だが、今回輸入した牛肉は、本当にBSEの危険があるのだろうか。いっせいに焼却処分にするというのはいかにももったいない。一方で「資源の無駄使いはするな」と一般論の時は、声高に叫んでいた人たちが、一旦、BSEと聞いただけで、いっせいに目の敵にするのは、どこか間違っているような気がする。そういう人たちがアメリカに行った時、牛肉は食べないのですか?輸入の禁止を決めた政府は、そんな危ない肉を食べてアメリカから帰国した人たちに何か検査しなくてもいいのでしょうか。


 こんなことばっかりやっていたら、食料のコストは上がるばかり、清潔意識は厳しくなるばかりで、日本だけが規格外となってしまい、将来世界的に食料不足になり始めた時、日本には輸出しない、などとならないよう願うばかりです。