日本医師会副会長の櫻井秀也氏が「サプリメントのほとんどは無駄だと私は思ってますよ。せっかくあんなものにお金があるなら、国民医療費に入れてくれたらもっといい医療ができるんですよ。国民を間違ったところへ(導き)お金を使って健康になっていると思っているところがおかしいんですよ」と、おっしゃられておりました

 新聞記事によれば、「即効性アガリスクで末期ガン消滅!」「徹底検証!末期ガンに一番効くアガリスクは何か」など二冊の本を出版し、「ガン抑止率100%」などと効能を記載して、警視庁に、フリーライター・出版社役員・健康食品販売会社社長が逮捕されたフリーライターは「体験談はほかの書籍などで調べた症例を参考にでっちあげた」などと話しているという。

  そんなことから健康食品に関心を持っていた矢先、10月9日(日)のフジテレビ「報道2001 膨れる医療負担誰に?」という朝7時半からの番組に出演した、日本医師会副会長の櫻井秀也氏が「サプリメントのほとんどは無駄だと私は思ってますよ。せっかくあんなものにお金があるなら、国民医療費に入れてくれたらもっといい医療ができるんですよ。国民を間違ったところへ(導き)お金を使って健康になっていると思っているところがおかしいんですよ」と、おっしゃられておりました。医療報酬を引き上げろなどという発言は、医師会副会長としての政治的発言なのでそのまま鵜呑みにできないが、「サプリメントのほとんどは無駄だ」というのは、「一人の医者としての信念だからこそ、何百万の視聴者の前で言い切れたのではないか」と思いました。

 その当日の日経新聞日曜版「サプリメント 過剰摂取の落とし穴 」という特集記事によれば、サプリメントの過剰摂取による様々な危険性----ガンになったり死期を早めたりする----を指摘した後、「(食品の場合)体にいいからといって、同じものばかり食べ続けることは難しい。味やにおいといった食品への嗜好性が働くからだ。このため、食品の過剰摂取を気にすることはない。しかし、栄養素が濃縮されるサプリメントとなると、大量に連続摂取することも可能になってしまう。日本人はビタミンやミネラルが不足がちと言われるが、『普段の食事でかなりまかなえている』(国立健康・栄養研究所 梅垣敬三氏)」とのこと。しかし一方、こんなことが、上記記事の見出し部分に掲載されております。正確を期さなければならないので、併せてご紹介します。「食事だけだと十分まかなえない栄養素を補うのに、気軽に飲めるサプリメントはうってつけの存在だ」。そして最後には「もちろん野菜不足など、栄養バランスの偏りには個人差も大きい。サプリメントは日常の食事では足りない分を補うためのもの。まず、一週間分の食生活をきちんとチェックして、自分の健康状態にあった必要量を大まかにでも知っておくと、過剰摂取の落とし穴にはまらずに済む」と。

 私は普段から、自然なもの・自然なことこそ最も大切にしなければならない、と思ってきた。自然は偉大であり途方もなく奥が深い。普段の食事で自然に栄養を摂ることが望ましいが、不足分をサプリメントで補うというには、その辺をよく自覚して摂らなければならないようだ。しかしそれにしても、不幸にしてガンになってしまった人が溺れるもの藁をもつかむ思いで口にするものを、効きもしない健康食品をさも効くように、それどころか「100%」効くと謳っていたという。そんなにしてまでお金が欲しい人間がいるんだな。ひどい話だ。