念頭に当たり、近隣諸国との関係を考える

あけましておめでとうございます

年末年始にかけて海賊とよばれた男」(百田尚樹)を読みましたが非常に面白かった。
戦前戦後、欧米のビッグスリーが世界の石油を牛耳っていた。この支配に反抗し立ち向かった出光佐三氏の一代記である。氏の偉大さに改めて敬服したが、下巻のP14にこのようなくだりがあった

アメリカはいったい日本をどうしたいのだ」
鋳造(佐三氏のこと)は店主室に武知を呼んで、「ストライク報告」について訊ねた。
「最初、GHQには日本の工業力をつぶして、農業国にしてしまおうという意図があったようです」
「日本をかつての東南アジアのように、自分たちの商品を売るための市場にするつもりでいるのだな」
鋳造は今さらながら傲慢な欧米人に対する怒りがこみあげてきた。
 白人たちに植民地にされたフィリピンもベトナムインドネシアもマレーも悲惨だった。彼らはいっさいの工業力を与えられず、ただ資源を搾取され、そしてその奪われた資源で作られた製品を買わされるという二重の搾取をされていた。白人たちはそうやって百年も彼らを支配し、ネジひとつ作ることのできない国にしてきたのだ。
 鍼造がそれを言うと、武知は「そのとおりです」と言った。
アメリカは日本が朝鮮半島満州を侵略したと糾弾しますが、日本は朝鮮においても満州においても台湾においても、おびただしい資本を投入して、さまざまな施設を作り、法を整備しました。ダムを作り、発電所を作り、学校を作りました。おそらく朝鮮も満州も台湾も、この投資を基にこれから大いに発展するでしょう」


今お隣の韓国で慰安婦問題が蒸し返され、ある市民は「日本は韓国を植民地にしたのを全く反省していない」と怒っていた。私は、昔の日本陸軍がそのまま続くよりは、まだアメリカに敗戦した方がましと思っているが、当時の欧米列強の植民地政策とは全く違っているということを知ってもらいたいと強く思う。日本統治が比較的長かった台湾・韓国・中国が、この小説の指摘の如く非常に早く復興を成し遂げたのは、欧米の植民地政策とは一線を画すものだった。
この際もう一言付け加えたいが、日本は戦後世界に類のないような平和憲法を守ってきたが、相手国の、尖閣竹島北方領土などの決して平和的とは言えない態度を憂えている。