真実を知るのはむつかしい

今年もいよいよ押し迫ってまいりました。色々お世話になりありがとうございました。

さて、年末に当たってではありますが、我々が実際に体験する割合と言えば、マスコミや本で知る経験の何十分の一でしょう。従ってマスコミや本に我々は刷り込まれているともいえるわけです。

熊本地震を例に考えてみよう。今年震度7の大地震が2度までも熊本を襲った。ほとんどの人は一生涯に一度も震度7という激震を経験することはないだろう。それが続けて2日も襲ってきたのだ。

先日、用事のついでに熊本地震の中心部益城町へ行ってみた。本当の中心地までは、道路規制で入れなかったが、奇妙なことに、建物がバラバラになって見るも無残な建物があるかと思えば、すぐ隣が何でもなかったように立っている家もあるのだ。不思議に思って調べてみたら、震度7 が連日襲った益城町でも。2000年以降に建った家の55.4%は無被害だったというのだ。

我々は、毎日毎日、バラバラに崩壊した建物や塀をTVで見続けてきたので、あたかも全滅に近い印象を持っているが、思えばTVは、最も極端な悲惨な画面だけを選び出して、放映し続けるのである。無傷で建物を移しても災害報道にはならないのである。見ている我々は、それによって、判断を誤ってはならないのだ。
何が真実か、見る目を養うことが肝要だ。