今日よりは明日良くなる社会

先日、朴大統領が日本より先に中国を訪問した。なぜ韓国がここにきて中国との関係を強めようとしているのかといえば、一にも二にも、経済的に日本より中国の方がメリットがあるからだ。

近年、高度成長した中で独り日本だけが一人負けの状況だ。20年前には中国、韓国ともに経済規模は日本の10分の1程度だったが、今は中国は日本を抜いており、日韓の差もつまっている。
日中韓の1991年から2011年の名目国内総生産GDP)の増加率は、日本が0.98倍に対し、中国は何と21.7倍、韓国が5.35倍となっている。20年間の平均伸び率は、日本がマイナス0.1%、中国が16.6%、韓国が8.7%だった。

韓国が中国を相手にするのは、第1に中国経済の拡大に魅力があるからで、相手国が成長しているほど自国経済圏が拡大するメリットを享受できる。またこういう面もある。韓国にとって、日本には勝てないが、中国には相対的に優位なのは家電や自動車で、この点で、中国は日本よりくみしやすいという面もあることはあるが、何と言っても、中国の成長率が魅力なのだ。成長している分だけ、発注があるからだ。うがった見方かもしれないが、竹島や歴史問題で日本と一悶着起こすのも、中国の歓心を得るためかもしれない。

日本はこの20年間、経済の伸びが全くなかった。
人間が幸福か不幸かを判断するのは、絶対観ではなく相対観である。人はいくら貧乏であっても耐えられるし不幸とも思はない。耐えられないのは、昨日より今日、今日より明日と段々良くなってゆくと思えない時、隣の人と比べて自分は貧乏だ或いは不公平だと感じる時である。今進んでいるエジプトやトルコやブラジルのデモは、将にこの「だんだん良くなってゆくと思えない」「不公平だ」と感じているからで、宗教がどうだ、イスラムがどうだ、と安易に宗教問題に転嫁するが決してそんなことではない。事実、ブラジルはイスラムとは無関係だし、不公平の典型の中国でデモが起きないのは、暴力で抑え込んでいるからだ。