「白い恋人」「赤福」や「ミートホープ」など不祥事が相次いでいる

1.足るを知らない
たとえば「赤福」。もともと扱い商品が「生菓子」にもかかわらず、売上を伸ばそうとする余り、販路を拡大して東海や近畿でも売るというムリ・不自然さだ。生菓子という制約の範囲内で満足して感謝しておれば、冷凍にしたり、消費期限を延ばしたりすることなどなかったはずだ。お客様は「欲しいのに買えない」という不満は出るかもしれない。しかしもともと、「その商品が本来的に持つ特性の範囲内でなければならない」はずだ。戦後4年間も「上質な材料が手に入らない」という理由で販売を停止していたという。それを聞いた我々は拍手喝采こそすれ、消費者に迷惑をかけているという人はいない。
 『温泉水99』は、湧き出す量が自ずと限度がある温泉の水である。それを無視して、売れるからとほかの水を混ぜたり、余計なものを加えたりしたら、お客様を裏切る行為だと思っている。
  
2.同族会社の欠点が出た
 同族企業は外部株主に余計な配慮をせずに大きな経営判断を下せるとか、長期的視点に立って決定できるなどという大きなメリットもありますが、反面デメリットも当然ある訳です。
 特に利益が出ている会社はこの傾向が強く出る。というのも、利益が出ているだけに外部の意見を拝聴することがその分減ってしまうからです。融資を受けていなければ金融機関の意見を聞く必要性を感じない。株式を公開していなければ、株主や投資家に配慮する必要もありません。利益が出ているだけに、地元の行政や経済界に対して謙虚さが失われがちです。
どうしても、「尊大」「独断専行」「裸の王様」になってしまい、しまいにはとんでもない結果になって倒産してしまうというようなことになりかねません。

3.これらの会社を他山の石とし常に身を律してゆかなければならない。
 我々はよくこの長所と欠点を自覚しつつ経営を進めて行かなければなりません。常に謙虚、節約の意識をもち、感謝を忘れず、自分を抑えて、社内の風通しをよくして、自由闊達にものをいえる。こういうことが大切だということを忘れてはならないと思っております