3年連続受賞のモンドセレクションに初めて出席して

月曜ミーティングよりの抜粋       
1. ベルギーは欧州の中でも小国である。昔からたびたび起こる欧州各国の戦争に巻き込まれ、何度も占領されてきた。近世でも、オランダやナポレオンのフランス、ヒットラーのドイツに侵略を受けたが、何の抵抗もせず逸早く降参した。下手に抵抗すれば、都市は破壊尽くされるし、いくら命があっても足りないという状況になるからだそうです。それとともに、この国にはクーデターなどがなく革命がなかったから、階層(身分の差別)は昔のままであり、貴族と一般の庶民との差がここほど顕著なところもないという。

2. この小国を支配する貴族たちは、生き延びるを図るために、極めて頭のいいしのぎ方をしてきた。税金はできるだけ払わないよう、他人の納めた税金は少しでも多くかすめとる、商売の仕方も上手で自分たちはなるべく働かず頭を使って収入を得る。その一例になるかどうかは別にして・・・株取引はここから始まったもので、当時世界一の壮大な証券取引所が建設され、日本銀行はそれを真似して建てられた。

3. ベルギーの首都ブリュッセルから45kmのところにアントワープという町がある。私はどうしてもこの地を訪れたくて、現地語も何も全くしゃべれないまま、夫婦で列車に乗って行ってきた。
 アントワープは、15世紀来ダイヤモンド産業の世界のセンターで、取り引き総額は年間390億米ドル(約4兆円)にも及ぶという。もともとダイアは一粒も出ない(?)のに世界中の取引のうちの70%はこの国を通るというのだからお見事!というほかない。

4. 夜、ベルギー一の日本料理屋に行ってきた。日本の要人、首相、高級官僚、会社社長などなど、ベルギーに来た人は必ず立ち寄るという店である。ガイドブックに「非常においしい」とあったが、確かに一流で、日本よりもむしろおいしいくらいで、出される品がすべて一級品だった。ガイドさんによると欧州一だそうである。
そのオーナーが同じ長野県出身ということで、大いに話がはずんだ。人生哲学、経営哲学が非常に立派で感銘を受けた。40年前に始めたときは、日本料理など見向きもされなかったろう。それを真面目に真面目に、真面目一本で地道にやってきた。お客に特にお世辞を言うでもなく、へりくだってものを言うでもなく、「いらっしゃい!!」と元気のいい声で客を迎えるでもなく、今日の地位を築いてきた。40年この方、何にも変わらなかったしそして今後も変わらないだろう。変化変化と世の中はかしましいが、流行(はやり)ものを追っている会社はまさにその通りだろう。おいしいものを美しく作ってきれいな店で出す。この当たり前のこと、これこそ料理屋の本道だろう。この道こそが、SOCの歩む道ではないかと思った次第である。
今ではお客の半分以上はベルギー人だ。あと2年、65歳になったら完全に引退し、子供2人も日本に就職したので自分も日本に帰るという。会社の社長さんは、経営判断やらいろいろやることがあるから別だけど、料理屋のオーナーは、おいしいものが作れなくなったり十分な接待ができなくなったりしたときは引退のときだという。その潔(いさぎよ)さやよし!。現地を案内してくれたガイドさんが、「変わらなければいいが・・・」と心配していた。

5. モンドセレクションでは、今度で連続3回、それも最高金賞である。初めて授賞式に臨んだが、皆さん、お会いした方々は全部最高金賞以外で、授賞式の隣の人は、何と!銅賞であった。それでも喜んで、埼玉から社長ご夫妻で駆けつけたのである。「どんなにしたら最高金賞など取れるんですか?」と聞かれたが、品質そのものは、何の仕掛けもないのだ。水の品質の良さに、感謝を痛感した次第である。