ドラッカーについて

NHKの「知る楽」で堀田力さんのお話

ドラッカーは先ず「ミッションが基本であり、ミッションは永遠のものでよい。しかし、目標は具体的でなければならない」というので、堀田さんは、ボランティア参加人数の目標を何十万人と具体的に定めた。また、ドラッカーが最も強調していることは「資質として一番基本的なことは真摯さ」であるという。日本語では、真剣さですかね。原文では、「インテグリティ」。これが一番。インテグリティのない人は組織に入れるな、排除しなさいくらいのことまで言っている。こんなことは当たり前のことじゃないですか。


なるほど、堀田さんがそれほどまでに入れ込んでいるドラッカーは一体どんなことを言っているのだろうか、と興味を持った。幸い社員にもしドラを購入している人がいたので、借りて読んでみた。



たとえば、ドラッカー「人は最大の資産である」という。確かにドラッカーのいうことは正しいだろう。しかしむしろ「人はコストである」と考えて、できる限り削った方がいい、リストラこそ最上の方策という経営書もあるほどで、世の中で成功している人はむしろ反ドラッカーであるとさえいえる。ドラッカーの唱えることに丸で正反対のことをやった人の方が、大成功しているようにみえる。
 ドラッカーはこうすれば経営がうまく行くというが、事実、反ドラッカーの成功者(?)の例をみると、一時期フォーブスなどで億万長者などと褒め称えられたり自叙伝まで出版したがその後有罪となって倒産、自己破産した例が枚挙にいとまがない。ちょっと思い出しただけでも、長銀を破綻に追いやったイ・アイ・イグループの高橋治則、闇の世界と多数の政治家と組んで株価操作した誠備グループの加藤あきら、虚偽の財務内容を発表した光通信の重田康光やライブドア元社長・堀江貴文村上ファンド村上世彰リキッドオーディオ・ジャパンの大神田正文、クレイフィッシュの松島庸、商工ファンド大島健伸 などなど、これらの人たちは、少なくともある一時期は大成功を収めた。がいづれも破綻を来たしたことも事実である。

だからというか、やはりというか、「正しいものが長続きする」ということは真理だろう。我々は一時的な大成功は望まない。我々が望むものは、適度に経済的でさえあれば、「心の安寧と生活の安定」だ。悪知恵などという気の利いた小才をもたない我々は善良一本で進むほかない。小心と言われようが何と言われようが、正しく歩むしかない。一方で「正道を歩む」という言葉があるとおり、結構これはこれで「会社の寿命を長く保つ」という点ではいいかもしれない。大成功はなくとも、それが次世代の人たちの為になると思っている。