温泉水には、あらゆるミネラルが含まれております

地中深く何万年も眠っていた温泉水には、あらゆるミネラルが含まれております。それだからこそ、体にもいいし、口当たりもまろやかでおいしいのです。本来、水には全ての元素が含まれているのが理想である。

あの有名な天文学者カール・セーガンは、「私たちの体は、すべて星の物質でできている」と言っているそうですが、だからでしょう、海水成分と人間の血漿成分の傾向は、驚くほどよく似ているので、昔、戦地で出血が多いときリンゲル液が手元にない場合は、海水を三倍に薄めて注射したそうです。また今では、長期の入院患者は、口から十分な食べ物を摂れないため、高カロリーの輸液を静脈に入れて栄養補給します。その中に亜鉛マンガン、フッ素、クロム、セレン、モリブデン、コバルトなどの微量元素を加えないと健康を保てないのだそうです。特に興味深いのは、多量に摂取すれば有毒金属とされるセレンやクロムが加えられているという点です。4億年前にやっと陸上に植物が出現し、つまりは30 数億年は我々生命体は海の中で進化を遂げてきた訳ですから、人間の体内生理は海の面影を強く残しているのは当たり前のことかも知れません。

しかし、このミネラル豊富というのが両刃の剣(もろはのつるぎ)で功罪併せ持つ。これらのものはいずれも一定量を超えれば有害なので、一つでも規定を超える金属が含まれておれば飲用不適となる。しかし微量ながら健康のためには含まれていなければならない。この辺が非常に微妙で難しいところですが大事なところなのです。

日本には28,000の泉源をもつ3,100強の温泉地があり、温泉旅館などの温泉宿泊施設22,700軒が営業している。営業不振に陥っている温泉旅館のオーナーさんは、入浴用だけでなく、飲用として温泉水を販売しようと誰でも一度は考えたのではないかと私は想像してますが、そんな訳で、ほとんどの温泉水には法令基準を超える何らかの金属が含まれており、そのため保健所から飲用の許可は下りず、販売することはできないのです。

また、山持ちの大地主たちも、そのほとんどの山林から清らかなおいしい湧き出る水が出ている筈です。しかし、これら大部分の水は泉源が浅いために、家畜の糞尿や田畑にふんだんに撒かれた化学肥料に起因する硝酸態窒素が含まれているなどで、販売許可はなかなか取れません。(この硝酸態窒素が含まれているかどうかは、試薬で簡単に調べられます。ネットで入手できます)

山紫水明の日本でさえこのような状況ですから、中国その他今でさえ水不足の国々は、今後大変なことになるのではないでしょうか。