いったい中国共産党はどっちの味方?

タイでクーデターが起きた。
軍部が支持するのは、王制、富裕層・中間層、支配階級、経営者、都市住民であるという。これに対するタクシン派は、低所得層、農民、地方住民だ。とすれば、中国共産党は当然ながらタクシン派を支持すると思いきや、軍部の方というのでわが目を疑った。だって、共産党がそもそもよって立つところは、庶民の側ではなかったか。結局のところ、中国にとって思想も理念もへったくれもない。現世のご利益さえあればいいということだろう。

それに比べれば、いろいろ問題はあるがアメリカの方が余程ましだ。実権をなくした方を支持したのだ。
中国はチベット、新疆ウイグル、日本、フィリピン、べトマナム、等々周辺国と紛争が絶えない。タイは、今のところ南シナ海では国境を接しないだけで、命の源のチャオプラヤ川メコン川の源流は中国の国境線にあるということを忘れてはならない。現に中印で水をめぐって紛争が絶えない。ロシアと親密さを演出したが、長い国境を接する中ロが仲良くやれるはずがない。

民衆はたとえバカであっても、民主主義に代わりうるものがないのだから、選挙に訴えるしかないのではないだろうか。最近、特にこれという考えもなかったが横井庄一さんの「明日への道」を数十年ぶりに読んでみた。
「考えてみますと、日本の作戦は実に無策というか、相手の力を知らな過ぎたと思うのです。たとえば、戦車隊は道路のすぐ横のカヤ(日本のススキ)の中に隠れていました。しかし空から見れば、真っすぐに生えたカヤの中の陣地は丸見えだったろうぐらいは子供でも想像できると思います」(P34)。
「もっと早く社会復帰も可能だった我々兵士に、捕虜になるなと戦陣訓第8条を徹底的に教育した軍人幹部が、身近の兵だけを率いて白旗をかかげて投降し、復員者の一人として安楽に暮らしていたとは。時代の流れとはいえ、当時の教育を真に受けた者は愚かでありました」(P194)と。20年間も苦楽を共にした志知・中畠両氏はどれほど生きて日本の地を踏みたかったろうと思うと胸がふさがる。
グアム島で29歳から28年間も青春を無駄にした横井さんだけに、陸軍の理不尽さをひきもきらず列挙している。昔、日本陸軍は勉強のできる最優秀の人材を登用したというが、こんな程度なのだ。

中国共産党日本陸軍、やることなすことおかしい。いまのところ、民主主義に代わり得る制度はない。一部のエリートなどというのはろくなことはない。できるだけ平等にして、選挙をするしかないのだ。タイのクーデターも早々に終わらせなければならない。