アベノミクスに成長戦略が欠かせない

アベノミクスに対して、私はやらざるを得ない、賛成だという立場ですが、1000兆円の借金を返すための荒業だけに、相当気を付けなければならないのも事実です。

最近上梓された「金融緩和で日本は破綻する」(野口悠紀雄著)の裏表紙に

経済の実体には何の変化も生じない。
しかし、日銀による国債の直接引き受けを認めれば、事態は一変する。
なぜなら、政府は、税制改正なしに、そして市場の制約なしに、いくらでも財源を調達できるからである。
これは、政府にとっては究極の錬金術であり、国民から見れば法律によらずに財産を没収される手段なのである。

とありました。きっとその通りでしょう。

しかし日本経済、このままでいいわけでは決してありません。アベノミクスの、金融緩和や公共事業も結構ですが、絶対必要なのは「成長戦略」です。私は先々週、日本を旅して「この日本は大きなムダがある」と痛感しました。

特に過密過疎問題です。東京や大阪には人があふれかえり、不経済不効率ですし、地方は過疎でうめいています。戦後、中央集権で地方から人を呼び集め高度成長を支えたのは事実ですが、20年前には地方分散に方向転換すべきだったのです。

一つのキャベツがスーパーでは200円で売られているのに、生産者はたったの50円で出荷するというこの経済の仕組みが問題なのです。たったの50円では若者が生産者になるはずもありません。ちょっと気が利いた人ならば200円で売る側に回るにきまってます。その結果、地方は荒れて、3次産業に人が集中し過当競争になって今や安売り競争です。一つの国家から見れば、非常にムダなことをしていると言わざるを得ません。

昨日バレンタインデーでチョコレートをいただきました。NHK BSでは、そのチョコレートの生産国のシエラレオネは世界最貧国で、生産者は原料のカカオを「言い値で売るしかない。チョコレートがいくらで売られているかも知らないし、ココアを作っているのにそのチョコレートを自分の子供に食べさせられない」と言っておりました。そして、貧困が戦争やテロ引き起こすから、フェアトレードのルールを入れようと検討しているということでした。アフリカばかりの話ではありません。この日本にもフェアトレードを入れないと、国土の均衡ある発展ができないのではないでしょうか?

それともう一つ。規制をできるだけはずしてください!!何か事業をやろうとしても、規制だらけでどうしようもありません。その結果、売値を上げざるをえなくなったり、新規事業を断念しなければならないとしたら最悪です。こんなことで、新興国に負けないようになるはずがないのです。