年々日本の国力が落ちている

いよいよ年の瀬が迫ってまいりました。新聞では、賞与が減ったとか、中小企業の借金の返済ができないという記事が並んでおりますが、お隣中国の上海万博の景気を見るにつけ、年々日本の力が衰えつつあるのが目に見えるようです。また、韓国では、九州と海底トンネルで結ぶ計画が進んでいるとか。現在世界一長いトンネルは青函トンネルの54キロ、2番目がドーバートンネルの50キロですが、釜山と佐賀は180キロも離れれているのでいかに壮大なプロジェクトかはお分かりいただけるでしょう。昔はこのようなお話は日本のお家芸だったのにと、隔世の感があります。今の若い人たちに申し訳なく思います。

国力が衰えているのだから当たり前といえば当たり前ですが、先日の日経新聞で、知日派の代表としてビル・エモット氏(エコノミスト誌前編集長)の見方がでておりました。
日本の格差社会が広がりすぎ、福祉政策が必要になってきた。経済開発機構(OECD)加盟国の中で貧困層が拡大しているのは日本だけだ。最低賃金も日本は最低レベル。かってあれほど平等社会だった日本が今や英国以上の格差社会になったのは劇的な変化だ」という。格差が広がっていることはある程度知っておりましたが、OECDの中で最低とまでは知りませんでした。引き金は橋本政権下で始まった非正規雇用の弾力化と指摘しておりました。

かって日本はミドルクラスの層が厚く、当時我々はそれがそれほどの価値のあることとは自覚せず、むしろ“一億総中流” などと揶揄するほどいい時代だったのですね。このまま下降線をたどって行けばどうなるのでしょうか。これまで日本をリードしてきた、自民党と官僚の責任は重いと断じざるをえません。自民党は国民から愛想をつかされ野に下って一応責任をとった形になりましたが、官僚の方はといえば、官僚からの脱却を唱えていた民主党のこのところの動きには疑問を感じ始めている。屋山太郎氏の本を読むうちに、余りの官僚の腐敗さ無責任さに、読むのが辛くなって読み続けられませんでした。こんな思いは初めてのことです。この上民主党までもが、官僚に対して自民党の轍を踏むようであれば、我々国民は絶望だけです。

      

天下りシステム崩壊―「官僚内閣制」の終焉

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