深層水が不振にあえいでいる

昨日の日経新聞によれば、「自治体が開発した温浴施設やミネラルウォーターが不振に喘いでおり、事業費10数億円もかけた事業が毎年毎年赤字でアチコチで撤退が始まっている」という。
多分、どの海洋深層水も不振で、成功したというところは一箇所もないのではないか。特にミネラルウォーターに関していえば、私は一番最初から「これは失敗する」と公言してきた。最大の理由はまずいことだ。私は信念として持っているが、口に入れるものはうまくなければ続かないのだ。玄米が普及しないと同じことだ。
みなさん「健康!健康!」と二言目には健康を口にするが、その割にはおいしくなければ続かないのである。玄米がいくら身体にいいといわれても誰も食べないし、その逆に、酒が身体に悪いといわれても、誰もそれが理由で止める人はいない。酒を飲み続けるのも「おいしい」からである。その上、あんなに「高い!」のでは、どうしようもないのである。
食品の材料として、生き残りの最後の望みを託しているようだが、余程のことでなければ、あのような高価な材料を使っての商品作りはマーケットが受け容れられようもない。事業の継続は市民に負担を押し続けるだけである。きっぱりと損切りすることだ。株の世界でも「見切り千両」という。
そもそも、自治体にこのような事業を展開する必要性がどれだけあったのだろうか。商売は民間に任せるべきである。失敗したら社長が責任を取るが、自治体の場合は、市民がその責を負い事業を進めてきた行政は逃げるだけだ。