鹿児島に引っ越しました


 東京へ東京へと草木もなびく中、私は住居を鹿児島垂水に移すことにしました。地方の衰退が唱えられておりますが、少しでも人口の減少にストップをかけ、税収に寄与したいと思ったからです。
 現在、家を建築中ですが、前々からの望みがありました。それは「大きな木を
せめて一本だけでもいい、庭に植えたいものだ」ということました。先日二日間ほど見て回ったところ、運がいいことに一箇所で二本も見つかったのです。やまももと柚須の木でした。これも「出会い」「運命」だと考え、思い切って二本とも購入することに決めました。
 先週その二本を移植したのですが、木や石の位置や向きが、ことごとく庭師の方と意見が違うので「どうしてかな?」と、三時のお茶の時に疑問をぶっつけてみました。その庭師がおっしゃるのには、「外から見てどのように見えるかということが大事でほとんどのお客様はそうでしたヨ」ということでした。私は、外見もできれば良いにこしたことはありませんが、あくまでも自分の癒しのためにと思っておりましたので、内側から見てどう見えるかが大切と考えていたので意見が違うのは同然のことだったのです。
 もう40年も前のことになりますが、フランスの哲学者サルトルが「人は自分のネクタイを選ぶのに自分の考えではなく、人の目を気にして選んでいる。自分自身の考え方、いわゆる実存(ダーザイン)こそが大切だ」と、実存主義を唱え、私は非常に感銘したことを覚えております。私は、知らず知らずのうちに、この考え方に影響を受けたのかな、とフト思ったことです。