水にいい言葉を投げかけると美しい結晶になる!?

水からの伝言」(著者 江本勝氏。国際波動友の会代表、代替医療学博士)という99年に出版された写真集について、毎日新聞(2月8日)がほぼ一面を使って大きく報じている。




写真集は「ありがとう」「平和」という言葉やクラシック音楽を「聞かせた」「見せた」水は美しい氷の結晶を作るが、「ばかやろう」やハードロックでは結晶が乱れたり結晶にならない、人の生き方や言葉のよしあしを水が教えてくれると説き、これを教材に授業をする教師も出て、子どもが手をつないで水に「お水さんありがとう」と声をかけたりしていた。また、 「生徒は「『ばか』と言い続けたら、育ち方が不均一になった。言葉が成長に影響すると分かった」。 学校現場には、TOSS(教育技術法則化運動)という教師サークルで紹介され広まった。「感動した」とテレビで発言する芸能人が現れ、01年3月の参議院文教科学委員会では、松あきら議員(公明)が肯定的に引用している。

 菊池誠・大阪大教授(統計物理学)は「水が言葉の意味に影響を受けることはあり得ない」と断言。 1月中旬、東京都豊島区の学習院大で「水からの伝言」を題材にした授業があった。文系学部の1、2年生が多い「現代科学」。理学部の田崎晴明教授(理論物理学)が「水からの伝言」の内容を紹介し、「じゃあ『shine』と書いた紙を張ったら、どうなるか」と問いかけた。「『シャイン(輝く)』とも『死ね』とも読める。ちょっと考えてみれば、おかしいと分かる。こんな話を信じてはだめです」。
 田崎教授は昨年11月、「『水からの伝言』を信じないでください」というホームページを開いた。同年3月には、田崎教授や菊池教授ら物理学者の有志が日本物理学会の大会で「『ニセ科学』とどう向き合っていくか?」というシンポジウムを開いて「水からの伝言」について議論し、「科学者は傍観してはいけない」と呼びかけた。

大まかには以上のような記事でしたが、水に限らず何でもそうでしょうが、ある理論がありそれが正しいと思っていると必ずそれとは正反対の理論がある。何が正しくて何が間違っているか、その判断が本当にむつかしい。情報が満ち溢れている時代、正しく生きるのは困難な時代です。せめて水についてはできるだけ正しい知識を身につけようと思っておりますが、この「水からの伝言」については、さすがに私でもかねてから疑問に思っておりました。