塩を含んだ「やませ」は、牧草を育て馬の骨格を硬くする

 高校の先輩方と毎年、昔の街道を歩いて来ましたが、今回は本州の最北、松前街道でした。
写真は、本州最北端、竜飛崎のホテルでの記念写真です。(私は後列左から2人目)

JR東日本の終点の三厩駅(みんまやと読みます)の待合室に太宰治の味のある文章が掲げられておりました。なかなか竜飛まで行ける人は少ないでしょうから、ご紹介します。

 私どもが訪ねた時は折りよく日本海からの風で暖かでしたが、「やませ」が吹く時というのは大変らしい。やませというのは、冷たく湿った北東風で、湿った空気が雲や霧を発生させやすいために日照時間の低下もあいまって気温の低下が著しく、米作りや果物の栽培にかなりの悪影響を与え、凶作を引き起こす原因となるものとして大変恐ろしがられているようです。しかし、ガイドさんによれば、「悪いことばかりではなく、寒流と暖流の合流点で巻き上がった潮水を含んだやませが、陸上に吹き込んでくると、牧草に塩が付着し、その牧草を食した馬の骨格がしっかりする。そのためこのあたりは放牧が盛んだ」ということでした。塩は、その摂り過ぎで悪役の感がありますが、塩の効用を再認識しました。