昨秋カトリーヌが上陸したニューオーリンズの修復はまだまだ

テレビ東京「地球再生」(16:00〜)を見た。
 

ニューオーリンズのラヨラ大学地球環境学のロバート・トーマス教授は言う。「もともとニューオーリンズは海面下で、むりやり人間が人工的に作った。周りをめぐらせている堤防は、どんなハリケーンにも耐えられるという設計だった。人間が自然を支配できると考えた人間の過信がもたらした人災だ」。また、地元の気象予報士のアレドンドさんは、「地球温暖化の影響で近いうちにまたやって来る」という。市内は無人の家、閉鎖されている道路、倒れた信号機などがそのまま放置されており、将来について悲観的な考えが拡がっているらしい。

 
 カトリーヌが上陸した当時、アメリカは「イラク派兵に金がかかり過ぎ、100億円の防災工事予算を20億円程度に抑えてしまった結果だ」という説もあったが、いずれにしても、一度破壊されてしまったものは、人工的なものであれ自然であれ、復旧には、大変なコストと長い年月を要する。ことに自然を破壊してしまえば放棄するか、再生するにしても何世代もの日数が必要となる。

 
 20世紀は戦争、開発、破壊世紀の20世紀から、自然と共生する21世紀にしなければならない。
 免疫の世界的な権威者多田富雄東大教授は脳梗塞で倒れられた後もなお、半身不自由なお体で一生懸命研究に打ち込んでおられる姿をテレビで拝見し感動したが、その教授がおっしゃっておられる。「この分では、人類は100年生きられれば幸運の部類に入る」と。