アフリカ大陸の中央、赤道直下のチャド共和国で、700万年前のほぼ完全な頭蓋骨が一つ発見され、人類の歴史はいっぺんに2倍になった
随分昔のことになるが我々が中学生の頃、最古の人類はジャワ原人(ピテカントロプスエレクタス)、北京原人(シナントロプスペキネンシス)などで、たしか約40万年前頃に生存していたと学んだ記憶がある。それがいつの間にか、人類の誕生は東アフリカの大地溝帯で約400万年前ということになり、記憶を焼き直していたところ、先週のNHKスペシャルを何気なく見ていたら、何と!2001年、アフリカ大陸の中央、赤道直下のチャド共和国で、700万年前のほぼ完全な頭蓋骨が一つ発見され、人類の歴史はいっぺんに2倍になった、と聞いてビックリしました。「トゥーマイ」と名付け、たくさんの学者が鋭意研究しているらしいが、詳しいことは他に譲るとして、私が特に興味を持ったのは・・・
「厚い毛皮もなく、力も弱く、道具も持たなかった当時の人間が一番怖いものは、大きな象や、肉食獣のライオンやトラだった。当時、それらの動物から逃れる大きな森があった」というのである。成る程!大きくて深い森は、身を隠すのにも木に登って逃げるにも都合が良かったであろう。そればかりでなく豊富な木の実や草の根があったに違いない。そして、その豊かな森を育てるには大きな川が流れていたはずであり、事実その痕跡もあるという。ところがチャドの発掘地の現状は、一木一草(いちぼくいっそう)もない砂ばかりの、童謡に歌われているあの月の砂漠なのだ。その環境の変化に驚くばかりだ。
吉田春樹著
日本経済破綻・今、そこにある危機―超借金大国の行方を考える12の視点
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