日経新聞のインタビュー記事「年金不信は大きな誤解だ」という常識はずれ?のテーマにビックリ。年金について考えてみました。

日経新聞05.12.26インタビュー領空侵犯より

年金不信は大きな誤解」

産業経済研究所所長 吉冨 勝氏

      経済企画庁を経てOECD一般経済局長、米ペンシルベニア大特別教授、アジア開銀研究所所長など歴任。近著に「アジア経済の真実」

     「現役世代が払う保険料をその時の高齢者への給付に充てるのが賦課方式だ。年金制度が発足した時に、年金そのものの蓄えがなかったから、賦課方式にならざるを得なかった。従って世代間の不公平は仕方がない。それでも、現行の運用利回り3.2%でなく賃金の上昇率2.1%で計算すると若い世代でも損はしない。もし、積立方式を取っていれば、大変な問題が起きていた。スウェーデン方式によって、高齢者が長く働くほど年金資産が積み上がり、その結果、引退後の生活はより豊かになる。高齢者の労働意欲が高まり、少子高齢化であっても、GNPが増えれば年金もきちんと運用される。そのためには、絶え間ない技術革新、女性の労働力参加の向上、海外からの投資収入などが必要である。」

    

     聞き手から

     「保険料を税のような負担でなく貯蓄と考える。国際派エコノミストとして米国やスウェーデンの経済学者らと議論を重ねた末の結論だ。成長の範囲内でしか制度を維持できないという常識をここまで理詰めに、かつ熱く語ってくれた人は初めてだ。」(編集委員 大林尚)




年金についての不信感が強い。どの評論家、雑誌の記事などでも全て年金に対する不信感のオンパレードなので、私も当然のことながら、年金は当てにならないものと思い、全く信用していなかった。ところが、「海外では、将来の保険料負担の上限を設け給付水準を減らして既受給者にも犠牲になってもらうという日本の年金制度について評価が高い」というのだ。ビックリした。大林編集委員のコメントからしても吉冨所長さんはどうも大変“真面目”のようだ。もしかしたら信じていいかも。「成長の範囲内」という制約のもとでの話なので、今まで感じて来たとおり、当てにならない面もありそうだが、「全く信用できない」というのは、どうやら間違いのようだ。

厚生労働省の付属機関の人口問題研究所の推計によれば、現在1億2800万人の人口が、低目の数字で50年後に9200万人、約現在の72%になるという。これは年率にして1%にも満たない減少率であるから、これを上回る成長率を維持できれば吉冨さんのおっしゃる「GNPが増え」る訳であり、年金
もきちんと運用されるということになり、あながち絶望ばかりではないらしい。

  昨夕の新聞報道によれば総人口は戦後初めて減少したという。、衆院選の時の刺客とかマンションの偽装問題とか言い出せばきりがないので、ブログには、「水・食物・環境」に絞って言及するようにしているが、「年金」というのは大変重要でありながら、破綻するというような一方的なお話しばかりなので、反対の見方を取り上げてみた。「元気な間は働く」というのは、年金問題に限らず大切なことではないでしょうか。