熊本地震に思う(その2)

 地震や火山の予知は、もし「わからない」としたら、全島避難というような強制は、余りにも住民に過酷を強いることになる。かと言って、住民の自己責任に任せるから、行政は何もしなくていい、ということでは無論ない。

 例えば前日例にあげた口永良部島の噴火。大爆発があったのは、昨年5月29日9:59のことだった。何分にも突然のことで、避難準備が整わず、全員フェリーで脱出したのは、15:40だったという。6時間近くもかかったが、1人の犠牲者も出なかったという。

 そこで提案である。島に残るのは当然リスクもある。このリスクをできるだけ減じてあげるのが、行政の役割だろう。
 もし今後、噴火があった場合、残留か避難かは自己責任で決めてもらう。一方、行政は、廃船寸前の船を用意し港に常時待機させておき、「一旦ことあらば、必ず2時間以内に港に集合して欲しい。2時間後に出向して100M先の沖合に出て、救助船を待ちます」とすれば、犠牲者の出るのを防げるばかりか、何よりも、全島避難などという苛烈なことがさけられる。
 安易に「全員避難」というのではなく、若干のリスクはあっても、一工夫を是非して欲しいと思うのです。