徳洲会と猪瀬都知事で連日のTVは大騒ぎだ。

 この数週間の月曜Mtでの議題が、奇しくもそのものだ。先週の議事録より

金を儲ける。事業を成功させるというのは、並はずれた厳しさ、やり手といわれる能力、強烈な個性を要求される。徳田虎雄理事長の例をみるまでもなく成功した人、大をなした人は例外なく強引だ。ダイエーの中内社長とはとてもじゃないがつきあいたいとは思わない。ソフトでヤワなことを言っていたらやって行けないのだ。だから、以前倒産したAスーパーでは「男子3000人も退職して、No2として、或いは経営陣の一角を占めて成功を収めている人は何人もいるが、オーナーとして事業を成功しているのは殆どいない」。創業はそれ程むつかしい。

 猪瀬知事が石原前知事から後継の指名を得た時、当選は確実視されていた。事実、猪瀬氏は430万票も取り、次点は100万票にも満たなかったのだから、徳田氏にヤバイ(?)金を借りてまで選挙準備をしなくてもよさそうなものだがそれが、一般人の考えることであって、ああいう人たちは飽くことを知らない。トコトン行く。例えば企業でも、いくらブラック企業と批判されようが、そんなことでひるんでいるようでは大はなしえない。その分顰蹙(ひんしゅく)も買うが、大事業を成し遂げる。
この位の気構えでなければ、コトはなしえないのだろう。

 先日、10数年前のビデオを見ていたら、当時の吉本興業の木村常務が言っていた。当時の採用は、1000人の内から選ばれたのはたった3人だった。それにもかかわらず飯の食える人はほんの一部だという。高校野球の選手のその後を見ればよく判る。甲子園にでも出れば故郷の英雄だ。しかしその程度の才能(タレント)ではほとんどの人が飯が食えないのだ。人生ってむつかしい!!
 歌手の世界でも、ゴルフや野球の世界でも、成功できたのは極々ほんの一部の人で、「鹿児島で一番」程度では飯が食えない。ましてや、我々は町内の一番にもなれないのだ。
 堺屋太一氏がNo2がいいと言っているのは、こんなことを言っているのだと私は解釈している。


No2に関して、梶原一明著「本田総一郎 男の幸福論」に以下のようなくだりがある。

 

これほど我の強い藤沢武夫と、我の強さのエピソードではこれまたひけをとらない本田とのコンビが永続きしたのは、奇跡的にすら思えてくるのだ。本田宗一郎が、希代のマネージャーである藤沢武夫を見出したのか。逆に藤沢が、天才的な街の発明家を発見したのか。この話は後述するとして、この両者、どちらかが欠けても今日の本田技研はありえなかった。
 今日、多くの倒産劇が演じられている。その敗軍の将を見ると、ほとんどが全盛時に、全知全能かのようなワンマン性を発揮していた。よき女房役、あるいはパートナーが不在で、独尊に陥ったところで、悲劇がパクリと大穴を開けて待ち受けている、といったケースが?法則性〃をもっているようにも思える。その意味でも藤沢武夫のナソバー2の論理、行動、そして本田宗一郎のNo1の心得といったものは貴重なケースである。また二人の引退後の暮らしぶりは、余生というには内面的にもきわめて充実している。