世のリーダーに問う

ここ鹿児島では、電子関連工場の撤退が相次ぎ、地域住民に甚大な影響を及ぼしている。
これは鹿児島だけの傾向ではなく、日本中どこでも、阪神や北九州などの工業地帯でも同様の動きらしい。そもそも、電子関連工場は経済情勢の変化、景気変動に弱い。景気がいい時は滅法いいが、一旦ダメになるとキリがない。一連のリストラ、撤退、閉鎖がそれを如実に示している。

景気のいい時に、日本の将来性を見据え、経営者のみならず政治家も官僚も学者も、その時に備え、雇用対策を急ぐとか、産業構造を抜本的に変革するとか、長い将来を展望して様々な準備をしておくべきなのに、安易に人件費の安い中国を生産工場に仕立て、経営者は束の間の繁栄を享受した。

その結果がどうだったかと言えば、地方の工場の撤退、雇用の喪失、GDPの停滞など今日の様々な不景気現象を引き起こし、その上、今後、BRICSの経済的発展で資源や食料品が欠乏することは明らかだ。もっと言えば、昨今の尖閣問題だって遠因にもなっている。

今、民主党自民党の党首選で何人もの人が立候補してにぎやかだが、莫大な借金を子や孫に付け回したり、福島原発でもあきらかのように、世のリーダーがその役割を果たしていないのだ。資源や食料品の不足に対して有効な対策は打ってこなかったし今後も打てないだろう。世の中というのは大体そういうものかもしれない。偉そうにふるまったり賢そうにふるまっていても、実は我々とたいして変わりがない。何にもできない。今、自分さえよければそれでいいとしか見えない。