経営の転換点に際して(08.3.26火曜ミーティング議事録より)

③自由闊達なボトムアップの社風

 トップダウン型経営では、社員が自ら環境変化を先取りするだけの意欲をもてないそのため、他人事のように受動的に仕事をこなしていくだけである。
 その反対に位置付けられるボトムアップ型経営では、プロとして仕事に責任をもち、何事も自分のこととして能動的に対処していかなければならない。市場が激変する中、第一線のスタッフが環境変化を捉え、ダイナミックに行動していく必要がある。特に、WEB・口コミ時代には消費者の購買行動も大きく変わり、企業経営も変化せざるをえない。

 集団で話し合うことで、相手がどんな考え方をもっているのかがわかり、そこに一定の方向性が見えてくる。もちろん、自分の意見が通らないことの方が多いだろう。多少の失敗は覚悟の上で、やるべき具体的なことを決め、迅速スピードに行動に移し検証してほしい。

 このようなボトムアップ型の経営を支える社員に不可欠な資質は、「仕事を楽しむ」ことであり、決して大企業のように「必死」であってはならない。それがビックではなく、ビューティフルな会社の社員に求められる資質である。ボトムアップこそが会社が生き長らえられる必須の条件といっても過言でない。

先週のTV放送「報道2001」によれば、

新入社員のうち「今の会社に一生勤めたい」という人の割合が、2000年には20.5%で
あったものが2007年には45.9%にまでなっている。 しかし、その新人を迎える人達は
モチベーションクライシス(やる気がない)のまま仕事をしており、日本の生産性は先進国では最下位であるという。


このような風潮を引き起こしているのは、日本のこの20年間の結果が露呈したものである。
一つは全然給料が上がらないどころかむしろ下がっていることと、トップダウン方式によることが大きく影響している。わが社は「この風潮に流されてはならない」と切に願っている。
これまでのSOCは、歴史が浅く蓄えもない小さな会社だったので、「こうしたい。ああしたい」と思うことが山ほどあってもなかなか叶わなかった。昭和30年代の日本と同様「それはそれでやりがいもあり楽しかった」が、苦しいこと至らぬことも多かった。

しかし、『温泉水99』という類稀(たぐいまれ)なOriginal商品(O)を掲げ、熱意と意欲を持ってChallenge精神(C)でやってきたことにより、その時期は脱し、今は「いいことはやれる」というありがたい時代を迎えたのである。高福祉高負担という言葉があるが、少なくともお客様にはいろいろ無理なことを聞いていだだいてきた。それは法人、個人のいずれのお客様にもいえることである。これまで、お世話になったお客様に、最後の理念Sincerity(誠実)接客(S)で報いる時がいよいよやってきたのである。

商売は時流に逆らったものはどんなに努力しても徒労に終わる。しかし、時流にあったものは得てして長くは続かないものである。幸い私どもの扱っている『温泉水99』は不易流行のベーシックそのものの商品である。お客様に感謝して楽しく仕事をしてゆこう。 (終)