日本の現状では、欧州通貨ユーロを採用する資格も有しない

 8月27日の新聞記事によれば、「ハンガリーは欧州単一通貨ユーロの導入を断念した」そうである。ユーロを導入するには、公的債務を国内総生産(GDP)の60%以下に抑える、という基準があるが、ハンガリーは70%を超えてしまっているかららしい。

 ところが我が日本では、GDPが500兆円に対し、国と地方の長期債務が800兆円、計算によっては1000兆円にも達し、GDP比150%ないしは200%にもなるという。明こんな異常な数値は、明治維新以来かってなかったことで、日露戦争大東亜戦争の国家存亡の危機の時をも上回る、というのだから、国民が何となく将来に不安を抱くというのも、避けられないことかも知れない。

 国家単位の規模になると余りに数字が大きすぎてピンとこないので、判りやすくするために、100万円を1円に置き換えて、一般の家計に置き換えて考えてみた。

 「年収が450万円なのに、家庭が買い物や教育、レジャーなど生活費に640万円を使ってしまい、毎年190万円も赤字の上に、それまでの借金8000万ないし1億円の返済分として170万円のローンを返済しなければならないので、新たに360万円を借金した」というムチャクチャなことをやっている。
 年収450万円の家庭が8000万円も借金していれば、欧州の基準に照らせば、「ユーロを採用するのはダメだ」と言われるのは当然だ。欧州基準では日本ではせいぜい3000万円までにとどめろということ。常識でも判る話だ。


 借金を返すためにさらに借金をしている苦しい状況なのに、生活費も切りつめず、借財を加速度的に増やしている状態だ。さらに借金が膨らみ、財政への懸念から国債価格が暴落すれば、国は借金返済のための借金さえ難しくなる。


 阿部さんの今度の政権構想にしても、つまり、「毎年の190万円の赤字は、その7割130万円は節約します、残りの60万円は増税して埋め合わせします、しかし、借金返済分の170万円は今後もずっと毎年毎年これまでの借金8000万円に上乗せとなります」ということ。
 我々孫子の代までこんなに膨大な借金を増やして行っていいのでしょうか。じいちゃん、ばあちゃん、お父さん、お母さんの代に、8000万とも1億にもなる途方もない借金を、何が何でも減らさなくてはならないのではないでしょうか。

参照:実際の国家予算
具体的に国の2004年度予算を例にとると、プライマリーバランスは19.0兆円の赤字だ。一般会計の総額は82.1兆円だが、借金の償還・利払い分である国債費17.6兆円を除いた支出は64.5兆円もあった。これに対して、税収など借金以外の収入は45.5兆円しかない。この結果、財政赤字は36.6兆円で、これを埋めるために、新たに国債を発行して帳尻を合わせた。